第3回 親子の関係


先日道場に生徒の迎えに来た母親と少し話した際のやりとりです。



その日、小学生の生徒(女の子)と、こんなやり取りをしました。

その子は私が技の説明をしているときはちゃんと聞いています。
でも、実際にその技をやると、できません。
出来ないことをやれといっているのではなく、少し気を付ければ誰でもできることです。

その後、個人的に注意して個人でやらせたらできました。

つまり、その子は話をちゃんと聞くことはできます。
ですが、聞くだけです。
聞き終わったら全て終わっているので、実行に移せません。

そんなことがあったので、生徒の迎えに来た母親に家ではどうかと聞いたところ、
『あぁ、そういことだったんですか。だから私の言うことを聞いてるのにやらなかったんですね。』ということで、
分かってもらえたようでした。
実はそういう子ってけっこういます。

その後、その子の家での話になり、靴をそろえるやゴミを拾うことなどを道場では教えているので、
その母親がその子に向かって『パパはそういうのできないから、パパにそういうのをちゃんとやれ言ってあげて』と言いました。

私は正直『それ言っちゃダメだよ、お母さん』と思ったのですが、子供もいたので、言うか言うまいか迷いましたが、迷った挙句母親に言いました。

『お母さん、申し訳ないです。あくまでも僕はこう思いますっていう話なんですが。』と前置きしてからこういう話をしました。
『今みたいなことを子供に言っちゃ良くないと思うんです』
『子供にとって親は尊敬する対象で、それなりに上下関係もキチっとするべきだと思うんです』
『でも今お母さんの言ったことは、お父さんをバカにしろ的な意味合いになってしまうんじゃないかなって』
『色々な考え方があるとは思うんですが、そういうのは良くないんじゃないかなって、僕は思うんです』

失礼な話なので丁重に謝罪しましたが、
そのお母さんも感じるところがあったらしく、『先生ありがとうございます。勉強になりました』といってくれました。

親しき仲にも礼儀ありといったところでしょうか、
やはり親子であっても、なあなあにせず、ある程度の上下関係や礼儀が必要なんじゃないかと思います。